おはようございます。落武者戦闘服です。
夜の都庁を見ていると、最近はライトアップだけではなく、建物そのものに巨大な映像が映し出されている。
プロジェクションマッピングだ。

都庁の「TOKYO Night & Light」は2024年2月に始まった。
目的は、単純に都庁を派手に見せることではない。
東京都が掲げているのは、「東京の夜を新たな観光資源にする」というもの。
夜に東京を訪れた観光客がプロジェクションマッピングを見る。
その前後に食事をする。
買い物をする。
場合によっては宿泊する。
そんな「ナイトタイム観光」を作ろうとしているわけだ。
では、電気代はいくらなのか。
東京都の資料によると、使用する電力は最大約200kWまで対応できる。
ただし、これは最大出力なので、実際に毎時間200kWhを消費しているという意味ではない。
仮に200kWを1時間フルに使い、電気代を30円/kWhとすると約6,000円。
3時間なら約18,000円。
思ったより安い……と思うかもしれない。
しかし、この事業で本当に大きいのは電気代ではない。
2023年度から2025年度までの都庁プロジェクションマッピング関連予算は、合計約24億4,000万円。
2025年度だけでも約7億9,000万円だ。
映像制作、プロジェクターのリース、保守、PR、警備などにお金がかかっている。
つまりこれは、
「都庁を電気で光らせる事業」
というより、
「都庁という巨大な建物を、観光施設に変える事業」
と考えたほうが分かりやすい。
では、そのお金に見合う効果はあるのか。
東京都によると、2024年2月の開始から2026年1月末までの観覧者数は約119万人。
さらに2024年度については、約9億4,000万円の決算に対して、約26億4,000万円の経済波及効果があったと試算している。
観覧者へのアンケートでも、98%超が観覧の前後に周辺で食事や買い物、観光などを楽しんでいたという。
ただし、ここには注意が必要だ。
「9億4,000万円使って26億4,000万円儲かった」という意味ではない。
これは産業連関表を使って算出した「経済波及効果」。
プロジェクションマッピングがなかった場合と比べて、26億4,000万円の経済が純粋に増えた、とまでは言えない。
ここは税金を使う事業として、議論の余地があるところだろう。
それでも、2026年8月時点で累計観覧者は155万人まで増えている。
電気代だけを見れば、それほど巨大な負担には見えない。
一方で、事業全体では年間数億円。
都庁のプロジェクションマッピングは、単なるイルミネーションではなく、
「東京の夜に人を呼ぶために、都庁そのものを観光コンテンツにする」
という、かなり大きな観光政策だった。
夜の都庁が派手に光っている。
その裏側には、そんな東京都の狙いがあるようだ。